未だかつて読んだことのない新しいアプローチのミステリでした。
登場人物は奇人変人ばかり。
シュールで謎めいた彼らの島で起きた大きな事件。
こんばんは、sora(@15sora30)です。
【読書記録】
はじめましての方は注意書きをどうぞ。
『アイネクライネナハトムジーク』、『チルドレン 』、『マリアビートル 』と続き
伊坂さんの作品は4冊目。
デビュー作『オーデュボンの祈り』を読みました。
伊坂さんの作品は読むたびに、
「なんで今まで読んでこなかったんだろう」
と後悔してしまうほど魅力的です。
まだ読んだことのない方はぜひ読んでみてください。
本はちょっと...という方も映画化されている作品もたくさんあるので観てみてはいかがでしょう。
あらすじ
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。
江戸以来外界から遮断されている“荻島"には、妙な人間ばかりが住んでいた。
嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、
人語を操り「未来が見える」カカシ。
次の日カカシが殺される。
無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。
未来を見通せるはずのカカシは、
なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?
オーデュボンの祈り
主な登場人物
登場人物が多いので読むときの参考にでもしてくださったら幸いです。
隔離された島で起きた奇妙な殺人事件
ミステリの定番と言えば名探偵。
普通に事件やら殺人やらが起き、
(殺人やらを普通と呼ぶのもおかしいが)
それを主人公の名探偵が解決する、といったもの。
ところがこの作品はそう単純ではない。
まず登場人物たちがみな奇人変人ばかり。
挙句の果てにはヒトではなくカカシ「優午」が物語の中心に据えられている。
それもただのカカシなどではなく、
100年以上も前から田圃に立ち続けるしゃべるカカシ。
しかも未来も見えている。
この島の住人はみな強すぎるほどの個性を持っていて、謎を帯びている。
そんな島に連れてこられた伊藤が主人公だが、彼は名探偵でもなんでもない。
強いて言うならば「コンビニ強盗未遂」で警察に捕まりかけたプログラマ。
そして島ではカカシ「優午」が殺される。
未来が見えていたはずなのに。
なぜ殺された?
なぜ助けを求めなかった?
事前に犯人を明らかに出来たのでは?
史上最大の謎が島を包む。
次から次へとやってくる謎に伊藤もお手上げ。
「あ、そう」もう何が何だかわからないよ。
p266より
私も色々な謎に翻弄されて全然謎解きできませんでした。
真相が分かったら
「あぁ、そういうことだったんだ」
とすっきりできると思います。
魅力的な住民に魅力的な島で繰り広げられる謎解きに、
仙台にいる冷酷非情な警察官・城山がアクセントとなって
かなり面白いお話になっていました。
ちなみに「オーデュボン」と「支倉常長」は実在した人物のようです。
ジョン・ジェームズ・オーデュボン - Wikipedia
支倉常長 - Wikipedia
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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いつもありがとうございます。
他の伊坂幸太郎作品も面白かったのでぜひ。