消えない月 / 畑野智美
恋なのか?ストーカーなのか?
ストーカーされる側、する側。
2人の視点から「ストーカー」事件が展開されていく。
こんばんは、sora(@15sora30)です。
【読書記録】
はじめましての方は注意書きをどうぞ。
あらすじ
出版社に勤務する松原とマッサージ師のさくら、二人は、付き合いはじめ、やがて別れる。
それで終わりのはずだった。
婚約までした男と女の関係は、はじめから狂っていたのかもしれない。
加害者と被害者、ふたつの視点から「ストーカー」に斬り込んだ、
残酷にして無垢な衝撃作!!
消えない月
主な登場人物
ストーカーは「愛」ではない
被害者、日本のストーカー事件への対応の遅れ、そういったもののへの警鐘もふくまれているのかもしれませんが、
私個人としては加害者の心理描写がとても面白かった。
(面白かった、と言ったら誤解を招くかもしれませんが)
さくらと松原、ストーカー被害者と加害者。
さくらの感じる恐怖、気の抜けない緊張感、日に日に擦り減っていく精神。
松原の抱く憤り、果てなき支配欲、並々ならぬ執着心。
さくらの視点では祈るようにして読み、
松原の視点では嫌悪感と怖いもの見たさの興味から読み進める。
本当に「愛」ゆえのストーカーならば警察からの警告で「気付く」
実際どうなのか分からないけれど、間違っていないような気がする。
そしてただの「怒り」や「支配欲」が原動力になってしまったら誰にも止められない、
というのはすごく納得できる。
止めてくれるような味方がいるならば、
そもそもストーカーなどにはなっていない。
ストーカー事件の圧倒的悪は加害者側だけれど、
さくらの言動も少し気になるところがあった。
全くもって許せないけれど、松原の背景にも同情の余地が0.1%くらいある。
本当の愛情を知っていたら、
1人でも味方がいてくれたら、
と思ってしまったのは私があくまでも第三者にすぎないから。
当事者になってしまったらそんなことは思わないし、
松原を殺してやりたい
とさえ思う。
怖いけど面白かった。
語彙力のない私にはこれが精一杯。
多くの人に読んでほしいです。
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