NHKが「GW(ゴールデンウィーク)」という単語を使わないというのは広く知られていると思います。しかし、なぜ使わないかきちんと説明できますか?
意外とあやふや、けれども今更聞きづらいNHKがゴールデンウィークという言葉を使わない理由を掘り下げていきます。
NHKが「ゴールデンウィーク」を使わない理由
NHKのウェブページに掲載されているQ&Aが面白かったので今更聞けないNHKが「ゴールデンウィーク」を使わない理由についてまとめました。
広告放送の禁止:「ゴールデンウィーク」は映画業界から
そもそも「ゴールデンウィーク」という言葉を作ったのは映画業界。
1952~1953年、大型連休でお客さんの集客率が良い時期でしたが更なる集客を見込んで「ゴールデンウィーク」というセールスワードが作られました。
当時、お正月やお盆休みよりも5月の大型連休の方が売り上げがよく、これを盤石なものにしようと大映(大日本映画)が宣伝用語として使ったのが「ゴールデンウィーク」。
放送法によって「他人の営業に関する広告の放送をしてはならない」と定められているNHKにしてみれば
宣伝文句だから使えません!
とのこと。
このくらいは皆さん既にご存知だと思います。
しかし今では当たり前のように「ゴールデンウィーク」という言葉が使われ、映画業界に限らずどこもかしこも「ゴールデンウィーク」と言ってますよね。
70年近く前の宣伝文句を今でも「宣伝文句だから使えません!」としているわけではありません。
クレーム:休んでばかりいられない人もいる
1970年代のオイルショック以降、
「のんきに休んでばかりいられないのに何がゴールデンウィークだ!」
といったクレームの電話が放送局に何本もかかってくるように。
みんなが連休を取れれば問題ないのでしょうが、不景気でそうもいかない人たちが多かったため「ゴールデンウィーク」という言葉に抵抗感を示す人も増えたそうです。
使いづらい:放送制作の現場の声
- 外来語・カタカナ語は出来るだけ避けたい
- 長すぎて表記の際に困る
- week(ウィーク)なのに7日以上
民法と違ってNHKならではですが外来語・カタカナ語は出来るだけ避けたいといった理由や長すぎて表記に困ると言った声が制作現場から上がったそうです。
そもそも土日合わせると7日以上になってしまってweekという表現が的確ではない。
このため、NHKの放送では原則「大型連休」を使うことに。
ゴールデンウィーク=×、大型連休=△
「ゴールデンウィーク」を使わないばかりか、「大型連休」すらあまり使わないようにしているということまで知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
「大型連休」という言葉も何度も繰り返して使われると耳障り、昨今の厳しい経済状況の中休みが取れない人たちが増えてこの言い方に抵抗感を持つ人も増えているからとのこと。
このため「大型連休」というのを繰り返し使うのではなく、
- 「今度の連休で~」
- 「4月末から始まる連休で~」
- 「この連休中に~」
のように別の言い方・伝え方を織り込んで表現上の配慮を施しています。
「ゴールデンウィーク」という言葉ひとつでこれほどのことが考えられているのは面白いと思ったのでまとめてみました。
ぜひ受信料についても配慮していただきたい。